2007.10.24

菊源氏 三冠酒

 昨日(10/23)は、千駄木の「鰻の稲毛屋」さん主催の「稲毛屋版・究極の酒を味わう会」に参加してきました。

 お目当ては「國香」県知事賞酒と「菊源氏」三冠酒でした。三冠とは、(1) 静岡県新酒鑑評会 首席(県知事賞)、(2) 名古屋国税局鑑評会 首席(国税局長賞)、(3) 全国新酒鑑評会 金賞、の3賞を受賞したことを意味します。平成2年ですから、まだ、東洋醸造株式会社時代のことです。その後、東洋醸造(株)は旭化成に買収され旭化成(株)大仁酒類工場となり、旭化成が酒類製造事業から撤退したことに伴い、平成15年限りで廃業しました。現在の「菊源氏」は、灘の「富久娘」で製造されています。廃業前後のことは、拙サイトの「伊豆の酒、菊源氏を惜しむ」を参照ください。


・ズラっと並んだ静岡吟醸
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・東洋醸造(株)製の菊源氏
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・越乃寒梅の最高峰、精米歩合 30%の特醸酒
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 ※ 醸造アルコールではなく、自社製造の米焼酎を使用しています。

・出品酒

1. 菊源氏 大吟醸 H1BY 三冠酒
2.磯自慢 純米大吟醸 中取り35 H17BY
3.國香 純米大吟醸 斗瓶囲い H12BY 静岡県知事賞
4.英君 大吟醸 H18BY 全国金賞酒
5.志太泉 大吟醸 H18BY 全国金賞酒
6. 正雪 純米大吟醸 斗瓶取り H18BY
7.富士錦 大吟醸 選抜 H18BY 静岡県知事賞
8.越乃寒梅 特醸酒 H17BY
9.黒龍 石田屋 H17BY
10.黒龍 龍 大吟醸純米 H1BY
11.花薫光 袋雫斗瓶取り 原酒あらばしり H18BY
12.貴 純米大吟醸斗瓶取り H18BY
13.田酒 純米大吟醸 山田穂 H18BY
14.龍力 出品酒あらばしりおり酒 H18BY
15.飛露喜 大吟醸 H18BY 全国金賞
16.十四代 大吟醸 2005(H16BY or 17BY)
17.辧天娘 純米大吟醸おり酒 H17BY
18.而今 大吟醸 H18BY 全国金賞
19. 小夜衣 純米大吟醸 H17BY 静岡県第二位

・お料理

1.小鉢(エシャレットの酢味噌和え)
2.伊賀牛のさしみ
3.かぼちゃの煮物
4.小松菜の生姜合え
5.生ゆば
6.鰻の塩焼き
7.肝焼き
8.紅ふじ鶏の焼き鳥
9.鰻のひつまぶし

 菊源氏、よかったです。見た目はとても17年古酒とは思えない清澄度。上立香も、老香はあるといえばあるのですが無視できる程度で、全体のバランスは崩れていません。味も老ねを感じさせず、上品に枯れて甘辛シャンっのメリハリがあります。極上の大吟醸でした。いやー、凄いお酒でした。國香もさすがに6年寝ているだけあり、例によってすばらしい大吟醸に化けていました。しかし、昨日の主役はやはり、菊源氏でした。

 それにしても、出席者のリクエスト順に開栓していったのに、十四代が大ラス、磯自慢“中取り35”がラス前という飲み会って‥‥ 酒も凄いが、呑み手も凄い方ばかりでした。有名どころの酒は飲み慣れているのか、あるいは名前で飲む段階はとっくに卒業したのか、いずれにせよ、酒飲みはかくありたい(笑)

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2007.10.17

曲学阿世の徒

 自民党は本当に壊れてしまったようだ。

 自民党有志でつくる「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」会長の中山成彬元文部科学相は17日午前、沖縄戦での集団自決に関して旧日本軍の強制の記述が教科書検定で削除された問題で「軍の命令、強制は当然あったと思う。沖縄戦について、国会議員も国民もあまりに知らなさ過ぎる」と述べ、記述回復を図る動きに理解を示した。党本部で開いた同会役員会後に記者団に述べた。

(引用元は共同通信:http://www.47news.jp/CN/200710/CN2007101701000314.html

 「軍の命令、強制は当然あった」と思うのは勝手だが、それを否定する調査結果、証言が次々と出ている現在では、肯定するための証拠、資料が必要だろう。そこを素っ飛ばして、次世代の教育に用いる教科書に記述するというのは、政治的ではあっても学術的ではない。まさしく、「学を曲げて世に阿る」行動だ。その輩が保守政党から出てくるところに現在の危機的状況を見ることができる。せめて「沖縄戦での集団自決に関して、軍の命令はなかったが、軍の関与や公的な強制があったのは明らか」にしておくべきだろう。

 当時、市町村長、警察官、教師、その他もろもろの公職にある人達がこぞって「囚われるよりは死を!」という思想指導をやっていた。彼らのうち少なからぬ人達が、戦後になって「心ならずも‥‥」と反省の弁を述べて転向し、ただ軍と軍人にのみ罪をなすりつけてきた。その典型は戦時中に教員・憲兵隊員であった槙枝元日教組委員長だろう。戦前戦中は軍国勢力に阿り、戦後は左翼勢力に阿り、ただ迎合し続けてきた。あるいは、その場その時の「いい子ちゃん」であり続けようとしてきた。

 自民党も、いまやその手の連中がハバを利かせているのか、と思うと暗澹たる気分になる。いよいよ、リベラルを排除した保守新党、あるいは右派新党が必要だよなぁ‥‥

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2007.10.07

「闘将 角田覚治」から集団自決を考える

角田覚治(かくた かくじ)は、昭和19年にテニアン島根拠地の司令官として戦死した海軍中将である。ほぼ同時に玉砕したサイパン島・グアム島では日本人の民間人も多数犠牲になったが、テニアン島では民間人の死者は非常に少なかった。その理由を、評伝から引用する。

 質量ともに圧倒的に優勢な米軍の前に、麾下の航空舞台は四散し、あとは敵が上陸してきたら、陸軍部隊について戦うしかないという状況に追い詰められた昭和19年7月、防備を固めるため、軍に協力して働いていた、婦人、子供をふくむ民間人に挨拶にきた角田は、「ありがとう。皆さん、本当によくやって下さって、ありがとう」と言ったあと、いずれこの島にも敵が上陸してくるのは必至だと語り、最後に 「しかし皆さんは民間人ですから、私たち軍人のように、玉砕しなければならないということはないのですよ」 と言った。  われわれ軍人は最後まで戦って死ぬが、軍人でない者までがむざむざ死ぬ必要はない、降伏して生き延びるべきだ、という意味が言外にこめられており、長官自らが、民間人に向かって、はっきりそう言明したことは、他の玉砕地では例のないことであった。

 「闘将 角田覚治」、中公文庫 「太平洋戦争の提督たち」石渡幸二・著より

 先月29日に沖縄県宜野湾市で開かれた「教科書検定意見撤回を求める県民大会」を契機に、歴史教科書の集団自決に関する記述に関して国会まで揉める騒ぎになっている。事実は「軍の命令はなかった(=守備隊の隊長は下命しなかった)」でほぼ決着しているのに、「軍の関与は明らか」と争点がすり替わって問題が拡大した理由を考えてみたとき、角田中将の挨拶に思い当たった。太平洋戦争の日本軍の玉砕地において、民間人に「生き延びてください」「死ぬ必要はない」と言明した現地防衛の最高指揮官が、帝国陸海軍を通じてたった一人しかいなかった、という史実はもっと知られてよい、と思う。

 ノンフィクション『或る神話の背景 沖縄・渡嘉敷島の集団自決』を著し、「集団自決は軍の命令によるもの」という定説を、実は証拠のない『或る神話』だと喝破した作家の曽野綾子は、こうも語っている。

 3月下旬のある日、米軍はこの島を砲撃後上陸を開始し、それを恐れた約三百人の村民は軍陣地を目指して逃げましたが、陣地内に立ち入ることを拒否され、その上、当時島の守備隊長だった赤松嘉次隊長(当時25歳)の自決命令を受けて次々と自決したというものでした。自決の方法は、多くの島民が島の防衛隊でしたから、彼らに配られていた手榴弾を車座になった家族の中でピンを抜いた。また壮年の息子が、老いた父や母が敵の手に掛かるよりは、ということで、こん棒、鍬、刀などで、その命を絶った、ということになっております。
 (中略)
 途中経過を省いて簡単に結果をまとめてみますと、これほどの激しい人間性に対する告発の対象となった赤松氏が、集団自決の命令を出した、という証言はついにどこからも得られませんでした。第一には、常に赤松氏の側にあった知念副官(名前から見ても分かる通り沖縄出身者ですが)が、沖縄サイドの告発に対して、明確に否定する証言をしていること。また赤松氏を告発する側にあった村長は、集団自決を口頭で伝えてきたのは当時の駐在巡査だと言明したのですが、その駐在巡査は、私の直接の質問に対して、赤松氏は自決命令など全く出していない、と明確に証言したのです。つまり事件の鍵を握る沖縄関係者二人が二人とも、事件の不正確さを揃って証言したのです。

 第34回司法制度改革審議会議事録
 http://www.kantei.go.jp/jp/sihouseido/dai34/34gijiroku.html

 赤松大尉も、角田中将のように「われわれ軍人は最後まで戦って死ぬが、軍人でない者までがむざむざ死ぬ必要はない、降伏して生き延びるべきだ」と言えなかったのか。そう言っていれば、「あまりにも巨きい罪の巨塊」などと大江健三郎にボロクソに書かれる人生を歩まなくて済んだのに、と赤松氏のために同情する。

 とはいえ、絶対に言える状況ではなく、そういう発想すら禁じられていた、というのも事実であった。そこが旧軍の悪弊、あるいはそれが国民生活にまで染み渡った戦時中の日本社会の悪弊の最たるところなのだ、私はと考える。そこを研究し、現在の自衛隊、およびマスメディアにその過ちを繰り返させない方策を練るのが、現代を生きる我々にとって建設的な行き方だろう。

 いま、「教科書検定意見撤回を求める県民大会」の論調を支持する勢力は、『とにかく「軍の関与があった」のだから「日本軍は極悪非道の行いをした」という記述を減らすな、むしろ増やせ』の大合唱らしい。やってることは戦争中の翼賛メディアと同じく、一方的な観念、スローガンの徹底である。「事実はどうであるのか」は、もはやどうでもいいらしい。ダメだコリャ。

 ちなみに、「沖縄ノート」でこの集団自決のことを取り上げ、前述のように赤松大尉を非難した大江健三郎であるが、曽野綾子は上の審議会でこうも言っている。

 もとより私には特別な調査機関もありません。私はただ足で歩いて一つ一つ疑念を調べ上げていっただけです。本土では赤松隊員に個別に会いました。当時守備隊も、ひどい食料不足に陥っていたのですから、当然人々の心も荒れていたと思います。グループで会うと口裏を合わせるでしょうが、個別なら逆に当時の赤松氏を非難する発言が出やすいだろうと思ってそのようにしました。渡嘉敷島にも何度も足を運び、島民の人たちに多数会いました。大江氏は全く実地の調査をしていないことは、その時知りました。

だそうな。さすがは大江健三郎、観念サヨクの面目躍如ですな。さらに曽野綾子はこう続ける。

第一資料から発生した風評を固定し、憎悪を増幅させ、自分は平和主義者だが、世間にはこのような罪人がいる、という形で、断罪したのです。

と大江を描写している。これはいわゆる「観念サヨクの平和主義者」の典型的なスタイルを喝破した、まさしく頂門の一針だなぁ、と感服した。それにしても、観念サヨクのやることは、韓非子の「三人言いて虎をなす」である。たとえ虚構であっても、多数が強弁して言い募っていれば、「政治的には正しい」ことになってしまう‥‥ くわばらくわばら

 閑話休題。

 いま必要なことは、もし戦争で敵軍に居住地が占領される事態になったとき、「軍人でない者までがむざむざ死ぬ必要はない、降伏して生き延びるべき」という心構えを説くことだろう。歴史の教科書で渡嘉敷島の集団自決を取り上げて旧軍に対して悪口雑言を述べるより前に、公民の教科書でテニアン島の角田中将の挨拶を取り上げるほうが、よほど現代および次世代の日本人にとって有意義だと思うのだが。

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2007.10.03

「増醸酒」の研究(その3)

 だいぶ間が開いてしまったが、ようやっと第3回。

 前回の結語は「戦後の米不足の時代には、増醸法は酒を増産するために有効な手段だったことが判る。」だった。これは勝手に私淑している篠田次郎先生(吟醸酒研究機構・幻の日本酒を飲む会の主宰者)の著書「吟醸酒の光と影」の以下の文章からも窺える。

 あの時期、米はなかった。酒は配給制で、一人ひと月何合だったのか知らないが、貴重品だった。私は役所から配給された配給切符と空き瓶を持たされ酒屋に買いにやらされた。その量は、飲んべえの親父のひと晩の飲み量であった。
(中略)
 昭和24年の時点で、この策は緊急避難であったと見るか、それとも酒を文化と考え堕落と見るか。私は当時の食糧事情を知る一人として、よくここで食い止めたと評価する。ただ、これを米が余っている今日まで引きずっているのは、みっともないとしか言い様がないのだ。

 昭和24年当時、米はなくてもアルコールはあった。太平洋戦争中、石油やガソリンの輸入が激減したため、その代替用に日本国政府は醗酵法によるアルコール生産設備を各地に造った。サツマイモやヤマイモなどデンプンを大量に含む農作物を糖化し、醗酵させて蒸留してアルコールを造った。多くの日本酒の酒造場も、国策推進のためにアルコール製造業への転換を余儀なくされた。すべては「国策への協力」、すなわち「お国のため」だった。
 
 戦後になって、戦時中に大量にできたアルコール製造設備を有効に活用するため、そこで造られたアルコールを、日本酒やウィスキーやブランデーなどに混和することが推進された。要するに、三増酒は戦争の後始末のための産物だといえる。あるいは、戦時中に国策へ協力したアルコール製造業者に対する、国家賠償の代用だったのかもしれない。

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2007.03.10

「増醸酒」の研究(その2)

 「増醸酒の製造が日本国内で認められたのは、第二次世界大戦後の最中のこと」と誤解している人が結構いるが、実際には終戦後の昭和24年からである。試験的な製造はその1・2年前から行われていたが、公に製造が解禁されたのは戦後4年経ってからなのだ。このへんの経緯を、日本醸造協会【編】、「増補改訂 清酒製造技術 (第8版)」日本醸造協会(1998年4月発行)の p.430 から抜書きしてみる。

 第二次世界大戦中の米穀事情の悪化により昭和17(1942)酒造年度から原料としてアルコールの使用を認めた。また、昭和24(1949)酒造年度からはアルコールに加えてブドウ糖や水あめの使用も認められた。この製造法によると固有の清酒に比べて製成数量を3倍にすることができるので、三倍増醸法とよばれる。  米穀の大巾な不足によって、清酒の需給が緊迫していた時代を救った産物でもある。

 それでは、平成18年5月1日の 酒税法 改正 前の規定に沿って、酒造場の酒造計画をシミュレーションしてみよう。昭和48年(1973年)以降、「酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達」に以下のような承認基準が定められていた。

1. 酒造場全体で使用できるアルコールの限度は、白米 1トン当たり 100%アルコール(純アルコールともいう)換算で 280リットル

2. 増醸酒に使える白米は、酒造年度内に酒造場で使用する総白米の 23%以下

3. 増醸酒の1仕込みに用いるアルコールは、白米 1トン当たり30%アルコール換算で 2,400リットル(100%アルコールで720リットル)

4. 増醸酒の1仕込みに用いるアルコールおよび糖などの副原料の合計重量が、原料白米の重量を越えない

 年間100トンの白米(精米後の米)を使用する酒造場を想定して、この承認基準から製造数量(造石高)を試算すると以下のようになる。

1. 純米酒だけを造る場合。平成16酒造年度の全国平均では、100トンの白米から 38,947リットルの100%アルコールを製成できる。アルコール分16度で換算すると、243,416リットル(=1,352石)の純米酒になる。

2. 普通アルコール添加酒だけを造る場合。まず、平成16酒造年度の全国平均では、100トンの白米から 35,729リットルの100%アルコールを製成できる。この酒造場は、280リットル×100トン=28,000リットルの醸造アルコール(100%アルコール)を添加できるので、合計 63,729リットルの100%アルコールとなる。これをアルコール分16度で換算すると、398,306リットル(=2,213石)の普通アル添酒となる。

3. 増醸酒を限度いっぱい造る場合。平成16酒造年度の全国平均では、23トン(=100トン×23%)の白米から 8,993リットルの100%アルコールを生成できる。これに添加できる醸造アルコールは 16,560リットル(=720リットル×23トン)なので、増醸酒に含まれる100%アルコールは 25,553リットルとなる。これをアルコール分16度で換算すると、159,706リットル(=887石)の増醸酒となる。増醸酒を造ったあと、この酒造場には 77トンの白米と 11,440リットルの100%アルコールが残る。この100%アルコールを白米 1トン当たり 280リットルの割合で添加した普通アルコール添加酒を造ると、その白米使用量は約 41トン(=11,440リットル/280リットル)となる。これで醸造アルコールを使い切ってしまうから、最後に残った約 36トンの白米は純米酒にする。この場合、増醸酒が 159,706リットル(=887石)・普通アルコール添加酒が 163,305リットル(=907石)・純米酒が 87,630リットル(=487石)となり製造量の合計は2,281石となる。

 このように、酒造場単位で見ると、純米酒だけを造る場合に比べて、同じ量の米から 1.69 倍の酒を製造することができたのである。なお、昭和48年以前には、もっと多くの醸造アルコールの使用が認められていたため、さらに多くのお酒を造ることができた。戦後の米不足の時代には、増醸法は酒を増産するために有効な手段だったことが判る。

 しかし、米が余るようになった1970年代以降も、増醸法が残ったのはなぜだろう?
(その3へ続く)

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2007.02.17

「増醸酒」の研究(その1)

 平成18年5月1日の 酒税法 改正 により、三倍増醸酒は清酒とは見なされなくなり、法的には「増醸酒」というカテゴリ(定義)も消えたことになっている。しかし、世間一般でいうところの「いわゆる増醸酒」は、「法令上の増醸酒」とは微妙に異なる。まずは世間で通用している概念のほうを最大公約数的に定義しておこう。

いわゆる増醸酒
 米・米こうじの他に、原料用アルコール(醸造アルコール)、糖類、酸類、調味料などを原料とする清酒。

 次に、平成18年5月1日の酒税法の改正により廃止された、「法令上の増醸酒」はどんなものであったか確認しておこう。

法令上の増醸酒
 米・米こうじの他に、澱粉、原料用アルコール(醸造アルコール)、ぶどう糖、水あめ、コハク酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、グルタミン酸ナトリウム、清酒を原料とする清酒。ただし、澱粉、原料用アルコール等の合計使用重量は、こうじ米を含む米の重量を超えない。また、原料用アルコールの数量は、各仕込みに使用する白米1,000kgにつき2,400リットル(アルコール分30%換算、純アルコールに換算すれば 720リットル)である。

 このレシピによれば、同じ量の米・米こうじから生成される酒の量が、米・米こうじ以外の原料を使わずに製造する場合の約3倍に増えるので、「三倍増醸酒」略して「三増酒」という通称が生まれたのである。なお、米・米こうじ以外の原料を、「副原料」と呼ぶことがあり、この記事でもそれを踏襲する。

 では、国税庁鑑定企画官室が作成した、「平成16酒造年度における清酒の製造状況等について(本文図表)」に沿って、法改正前の増醸酒のデータを精査してみよう。

 まず、平成16酒造年度に増醸酒を製造した酒造場は 554場あり、これは稼動中の全酒造場(1,424場)の約39%を占める。そして、白米1t(1,000kg)あたりの副原料の使用量(全国平均)は、それぞれ

 純アルコール 719.6 リットル ⇒ 618.2kg(重量換算)
 ぶどう糖    43.6kg
 水あめ    301.4kg
 乳酸      1.4kg
 こはく酸    1.4kg
 くえん酸    0.16kg
 りんご酸    0.20kg
 グルタミン酸ソーダ 0.02kg

となっている。合計して 966.38kg となり、旧酒税法の「澱粉、原料用アルコール等の合計使用重量は、こうじ米を含む米の重量を超えない」を守っている。監督官庁の公表する統計だから、当たり前といえば当たり前なのだが。

 最終的に製造された増醸酒は、実数 79,259キロリットル、うち純アルコールが 18,145キロリットル、このうち添加された原料用アルコールが 11,757キロリットルであるから、米・米こうじの醗酵により生成された純アルコールは 6,388キロリットルとなる。増醸比率を計算すると

 18,145 ÷ 6,388 ≒ 2.84

となる。平成16酒造年度の増醸酒は、全国平均で 2.84倍増醸酒であった、といえる。(その2へ続く)

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2007.02.10

Jawbone(その2)

 一週間の充電期間が経ち、いよいよテストラン。実際にはそんなに充電に時間が掛かるワケはなく(笑)、マニュアルによればフル充電まで2時間だそうな。さて、製品紹介サイトのデモ(Flashのムービー)のようにノイズがスパッと遮断されるのか否か‥‥ デモは、こちらに。

 http://jawbone.com/meet.html

 手元でのテストには、Skype の通話音声テストを使ってみた。通話相手がいなくても自分の側の音声デバイスの動作状況が確認できるので、非常に重宝するサービスだと思う。

 最初のテストは、3~4m向こうで同僚が大声で会話中という職場の環境だ。同僚のほうを向いて、Jawbone のマイクが同僚の声を拾うようにして使ってみた。
 まずはノイズキャンセラを無効にしてみる。これは普通のマイクと変わらず、ザワザワウォンウォンと雑音が入る。同僚の声が上がれば、その声もそれなりに拾ってくれる。これまで使ってきた Plantronics の Voyager 510 よりノイズを拾うようだ(当たり前だ)。向きを変えて試しても変わらない。Jawbone のマイク部分に刻まれたスリットの形状からしても、マイクそのものは無指向性のようだ。
 次に、ノイズキャンセラを有効にすると‥‥ ほとんど無音、というか、オフィスのいろんな機器の出す騒音、周囲のキーボード音、ザワザワする人の声、といった雑音がほぼ気にならないレベルになった。この時点で、Voyager 510 よりもノイズキャンセラが強力だと確信した。ただし、音質は若干“角が落ちた”感じになる。雑音と認識した信号と一緒に削り落とされたのだろう。それでも、しゃべっている声から話者を判別するには全然問題がないレベルだ。

 次のテストは、鼻先 50cm ほどのところにCDプレーヤーを置いて、通常の音量(うるさくも聞き辛くもない程度)で鳴らした状態だ。ちなみに、CDの内容は中国語会話の教材(笑) 居酒屋や喫茶店の、向かい合わせの席でカップルがしゃべっている、という程度の状況をエミュレートしたつもり。さて、そちらを向けて通話テストだ。
 ノイズキャンセラ無効の状態では、かなり聞き辛い。自分がしゃべった内容なので、記憶が残っているからなんとか判るのかな、というレベルで、CDの音声がガンガン入ってくる。
 いっぽう、ノイズキャンセラ有効の状態では、上述のデモほどにはクリアにはならないが、自分の話している内容が問題なく聞き分けられるレベル。TVやラジオのニュース番組で流される、かなりウルサイ街頭でのインタビューなみ、というところか。

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 ところで、マニュアルによれば、ノイズを軽減させるキモは、写真の左下にある白い突起を頬骨に接触させること、とある。この突起が、発声に伴う頬骨の振動を拾うセンサーで、その振動とマイクから入ってくる音を DSP で処理することにより、Jawbone の装着者の音声だけをピックアップする、という仕組みだそうな。まさに骨伝導技術だっ!
 そこで、耳かけの部分を調節したり、発声時に Jawbone を手で押して頬に圧着させたり、と試行錯誤してみた。
 手で強く圧着させるとノイズは確かに減るが、その一方で圧に応じて音量が上下したりエコーのような揺らぎが発声する。やはり耳かけを調整して、頬骨の適切な位置に適度な圧を持って触れさせるのがヨサゲだ。

 ここで、Voyager 510 のユーザには大事なことを書いておく。

 Plantronics の Voyager 510 は、マルチポイントテクノロジーにより、ペアリングできる接続先を2つ登録することができる。しかし、Jawbone は1つだけの模様。PC(プリンストンテクノロジーの Bluetooth Ver.2 対応アダプタ、PTM-UBT2 経由)と携帯電話(au W44T)とで交互に使うと、携帯電話のほうは毎回ペアリングからやり直しが必要だった。
 ただし、PCのほうは、交互に使ってもペアリング不要でいきなり繋がる。このへんの動作が正しいのかどうかがよく判らん‥‥ 他の Bluetooth アダプタでも試してみるべきか? なお、PCではヘッドセットプロファイル(HSP)、携帯電話ではハンズフリープロファイル(HFP)で登録されている。

 だいたいの効能は理解したので、Jawbone を装着して職場内を歩き回りながら、Skype でいろいろと試してみた。そこで判明した Jawbone のノイズキャンセラの特徴を以下に列挙しておこう。(通話の相手にはいい迷惑だったかも)

・得意なノイズ

 音量があまり上下しないノイズには非常に強い。かなり大きな騒音でも、レベルが一定であれば、Jawbone のノイズキャンセラは相当に有効だ。常にゴーゴーと音を立てているサーバラックの換気ファンの横で話をしても、相手にはさほど気にならないらしい。たしかに、メーカーのデモでは、電動草刈機とエアー排出型の落葉掃除機の横・走行中の車の中、という状況を使っていたが、あの手のノイズには強い。

・苦手なノイズ

 逆に、突発的に発生するノイズ、音量が急激に上下するノイズには弱い。前方にいる人が奇声をあげたり、目の前で物を落としたり、といった際の音はかなり拾っているようだ。

・独特なノイズ

 Jawbone の骨伝導技術が裏目に出るノイズがある。話している最中にドスドスと足踏みしたり、肘を机にブチ当てたり、といわゆる「骨に響く」アクションをすると、テキメンに雑音と化す。自分には音を立てている自覚がないのに、相手にはかなり気になる音が伝わるようだ。椅子に座ってつま先でトントンっ、と床を叩くような動きをするだけで、相手から「なんかドスドスという音がしてるぞ」と指摘が入る。

・その他

 首を回したり、アゴをガクガクさせると、風切り音のようなノイズやガタガタ音が乗る。変わったアクションをすると、骨の動きに起因する、いろんなノイズが乗りそうだ。身体のどこをどう動かすと笑えるノイズが出るのか、研究してみると面白そう(笑)

 (Jawbone のネタは、これで終わり)

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2007.02.03

Jawbone(その1)

 Jawbone は、強力なノイズキャンセリング能力を持つヘッドセットだ。骨伝導センサーとDSPを使って、マイクに入ってくる音からヘッドセット装着者の音声だけをピックアップし、戦場の騒音下でも確実に通話を成立させる‥‥ という米国防総省が開発した技術を採用している。製品名のJawbone(顎の骨)もそこから取られている。

Jawbone

 ケーブルで接続する製品は、国内でもすでに チャットボイス社 から販売されているが、昨年末に Bluetooth を採用したコードレス版が米国で発売された。当初は米国の携帯電話端末(Singular社向け)とのバンドル販売だけであったが、1月下旬から Webサイト で直販が開始され、米国外へのシッピングも始まった。

 以前から注目していたので、早速、コードレスのほうをオーダーしてみた。1月27日の昼過ぎに注文して2月2日の午後に到着したが、27日は土曜日(現地では金曜日の深夜)なので、実際に受注が処理されたのは1月29日の月曜日だった模様(インボイスの作成日付も、01/29/2007)。

 手元に届くまでの費用は以下の通りだった。

 Jawbone 119.99ドル
 運送費  49.95ドル(UPS)
 消費税  600円

通関した2月1日のレートで計算すると(120.72円/1ドル)、合計 21,115円になる。Bluetooth なヘッドセットとして見ると、ちょっと高い。(余談だが、消費税額から鑑みて、わが国の税務当局はいまだに1ドル=100円で計算しているらしい。どういうタイミングで換算率を見直すのだろう?)

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 上は到着したときの荷姿。大きさは後方にある Thinkpad T43 のディスプレイから想像して欲しい。茶色の厚紙の箱を開けると、エアクッションに挟まれた白い紙箱が出てくる。

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 たぶん、店頭で売られるときはこのパッケージなのだろう。その白箱を開けると、また緩衝材質の袋に入った透明のアクリル樹脂ケースが現れる。

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 アクリルケースの下側3/5ほどは黒い紙箱に挿入されている。なかなかおシャレ。たぶん、このままディスプレイするように考えられているのだろう。携帯電話(au W44T)で撮った写真なので判り難くて恐縮だが、黒い紙箱の部分にはエンボス加工で“NOISE IS NOTHING”のキャッチコピーが入っている。

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 パッケージの裏側からも撮ってみた。簡単な商品説明が書かれている。

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 スカート部分(黒い紙箱)を取り去った姿。全体が透明のアクリル樹脂ケースの下部には、電源ユニットの紙箱とイアパッド&イアループの紙箱が入っている。基本的にモノトーンのデザインだ。ここから内容物を確認していこう。

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 本体は Red・Black・Silver の3色から選択できる。私は Silver を注文した。ウェブサイトではもっと明るい銀色にも見えるが、実物はややガンメタリックに近い感じだ。

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 交換用イアパッドとイアループ(耳かけ)。イアループは左右の耳用が大小2個ずつで合計4個、イアパッドは4つのサイズで5個が付属している。本体には、イアループが右耳用の小サイズ、イアパッドは最小サイズ(写真の左端のものと同一のサイズ)が装着されていた。つまり、最小サイズのイアパッドだけ、2個付属していた。紙箱には4(Earbuds)+4(Earloops)と印刷されているが、これは種類の数を表記したものらしい。

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 電源ユニット。100~240V対応のACアダプタとUSB充電ケーブルが同梱されている。ACアダプタのプラグはA型(日本の標準プラグ)で、出力部は USBのAタイプ(メス)形状になっている。

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 電源コンセントから充電する場合、コンセントにACアダプタを差し込んで、ACアダプタにUSB充電ケーブルを接続する。この組み合わせは予想外だったが、考えてみれば非常に便利だ。携帯電話や携帯音楽プレーヤー用のUSB充電ケーブルもこのACアダプタに接続できるので、荷物が多い海外出張では重宝しそうだ。

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 PC(Let's Note CF-R4)のUSBポートから充電しているところ。充電中はLEDが赤く光り、充電が完了するとLEDの色は白に変わる。

 充電が完了したら、いよいよ使ってみよう。(その2へ続く)


【追記】 on Sat, 03 Feb 2007 13:00 +0900(JST)

Compare

 「しもけんの空間」というブログの記事 に「でも現物は結構大きそう。」とあったので、比較写真なんぞを。左上が PLANTRONICS社の Voyager 510・右上が Jawbone・左下が au の W44T・右下が東芝の Bluetooth Mouse IPCZ079B です。それほど大きくはないです。ロジテックのLBT-HS100C2などのヘッドセットのほうが、はるかにデカい‥‥

 本館サイト: http://www.dd.iij4u.or.jp/~kshimz/  E-Mail: kshimz@dd.iij4u.or.jp

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2007.01.31

志太泉の5人の杜氏の酒を味わう会

昨日(1/30)は、千駄木の「鰻の稲毛屋」さんで「志太泉の5人の杜氏の酒を味わう会」に参加してきました。

・多田信男杜氏(現在、磯自慢の杜氏)

Dc013008
 S61BY 大吟醸
 S63BY 純米吟醸(常温保管)
 S63BY 純米吟醸(冷蔵保管)

・中川国松杜氏(志太泉の後、安東水軍の杜氏)

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 H6BY 純米大吟醸

・高橋貞實杜氏

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2007013013

 H9BY 大吟醸原酒
 H10BY 大吟醸原酒
 H11BY 特別本醸造生原酒
 H12BY 大吟醸原酒
 H13BY 大吟醸原酒
 H5BY 黒龍 大吟醸 龍

・千葉心一杜氏

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 H14BY 大吟醸原酒
 H14BY 純米吟醸原酒

・田中幸夫杜氏

 H17BY 大吟醸
 H17BY 純米吟醸原酒
 H18BY 純米活性原酒“蔵出し濁り酒”
 H18BY 大吟醸原酒 しぼりたて
 H18BY 純米大吟醸原酒 しぼりたて

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(株)志太泉酒造の望月雄二郎専務と、お酒の調達を担当された松永酒店の松永俊宏さんも参加され、たいへん盛会でした。なお、上記のお酒のうちの一本は、小生の持ち込みです(笑)

【追記】 on Mon, 05 Feb 2007 10:05 +0900(JST)

 雄二郎専務のブログ、「志太泉オフィシャルブログ」にも、この会の報告の記事 が上がっています。例によってクールでクレバーな分析が記載されています。お酒のインプレッションについてはそちらを参照ください。

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2006.08.27

基本的な発想が違う‥‥

『対テロ戦、「カネの心配無用」=兵士向けに電子決済端末-米』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060825-00000046-jij-int
“米陸軍と基地間の経理業務を大幅に減らせるほか、危険な現金輸送の回数を減らすことができ、米軍兵士の安全性向上につながるという。”

こういう発想はいかにも米軍らしい。

昔から米軍では、「兵士もまた主権者(または主権者の家族)である、よって最大限の安全保護や利便性の確保が必要」という意識が高い。第二次世界大戦でも「暖かい食事が提供できる」よう兵站線の確保に留意し、輜重部隊が行き着けない地域に部隊を進出させるような作戦は最大限避けていた。

翻って、いったん占領した場所は何があっても「死守」、という命令が連発されていた旧軍とは雲泥の差だと思う。輜重を考えない作戦指導を連発し、その結果、日本軍の太平洋戦争の死者(=中国戦線を除く死者)の過半が餓死・栄養失調に起因する病死という惨禍をもたらしたのだが‥‥ 

靖國に眠る英霊の約半数は、戦死に非ずして戦病死されたのである。これを考えると、日本人の私としても、やっぱり参謀総長としての東條英機、ビルマ方面軍司令官としての木村兵太郎、陸軍省と参謀本部の要職を歴任した梅津美治郎と武藤章の合祀はマズいような気もする。ま、神道の理論からすると、いっぺん合祀した御霊を外すのも難しいのであるが‥‥

閑話休題。

彼我の人命を大切にする思想の差異は、航空機の設計・戦車の設計・軍隊輸送船の設計‥‥ といたるところに発現している。航空機や戦車は有名なので、比較的知られていない軍隊輸送船について書いておく。

米軍では原則的に兵員を輸送するのは客船に準じる設計の専用の軍隊輸送船か、客船を徴用して改造した軍隊輸送船で、スシ詰めとはいえ1人1人独立した簡易ベッドが用意され、食堂等の設備も整っていた。ところが日本軍では、ほとんどが貨物船の船倉に畳やゴザをしいただけの大部屋に、1人あたり1畳に満たない割合で押し込まれていた。食堂等もほとんどなく、甲板か船倉で取るしかなく、まさしく人間が貨物、消耗品の扱いだった。

このへんの旧弊は、自衛隊では改善されていると信じたい。

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