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2005.07.22

国産米は安全か?

 上原浩氏の「純米酒を極める」という本には「本来、米と水だけでつくる日本酒は、これ以上ないほど安全で健康な食品である」という妄言がある(同書 p.31)。アルコール含有飲料を指して「これ以上ないほど安全で健康な食品である」と述べるのは正気の沙汰ではない。上原センセは、世界中の大多数の国でアルコール含有飲料の摂取を成人に限定している理由を知らないのだろうか? また、米と水だけでつくられる日本酒に含有されるカルバミン酸エチル(発ガン性物質)のことはご存知ないのか? いずれにせよ、「天然物由来であれば安全」というのは非科学的な思い込みにすぎないのだが‥‥

 それはサテオキ、わが国にはミョーチキリンな「国産米信仰」がある。コメの自由化が政治的問題として表面化するたびに「輸入米(輸入農産物)は危険だ」とポストハーベストや遺伝子組み替えの危険性を説く輩が跋扈する。しかし、国産米が輸入米よりも安全なのか? を厳密に論証することはしない。それはそうだろう。わが国の農業は農薬と化学肥料漬けなのだから。わが国の農地の単位面積あたりの農薬と化学肥料の使用料は圧倒的な世界一である。かえって商業的にコメを生産している米国や豪州の農地は、病虫害の心配のない乾燥地帯を人工的に感慨した場所、すなわち農薬の必要がない田圃が多いのだ。

 さらにまた、カドミウムの問題がある。データとしては農林水産省の「日本のコメに含まれるカドミウム」を参照されたい。日本のコメのカドミウム含有量は、世界的にみても高い水準にある。その理由は日経BP社の「食の機能と安全」サイトの「今、なぜか話題になるカドミウム食品汚染」に詳しい。是非ご一読を。ちなみに、これは古くから公開されている事実であるが、あまり広く知られているとは言い難い。

 国産農産物を持ち上げる前に、このへんを冷静に考えてみよう。で、国産米至上主義も極めて非合理的で、むしろ信仰の吐露に近いものであるということは、消費者として理解ておいたほうがいい。一般消費者および納税者は、農林水産省と農協(全農、経済連 etc)の利権維持に協力する義理はないのである。

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2005.07.19

肥満になりたい人は梅酒を飲もう!?

 あるメーカーのアルコール度数10%の紙パック梅酒 100ml に含まれる糖分は 16g もある。ちなみに、コーヒーや紅茶用のスティックシュガーの内容量は 2~4g 程度だ。この程度の砂糖さえ「肥満の元凶」「ダイエットの敵」と言う人は数多くいるのに、梅酒にはなぜか健康的なイメージがついて回っている。何かヘンだ。実はこのネタにはオリジナルがある。以下のページを参照されたい。

 梅酒の広告 http://www.geocities.jp/m_kato_clinic/alco-ad-umeshu-01.html

 上のページには、大手梅酒メーカーの500ml パックについて「メーカーに問い合わせたところ、糖類 80g含有、620キロカロリーとの回答でした。」とある。毎日1合(180ml)づつ飲めば、1年で10kgの砂糖を摂取する計算だ。

 このところ、地酒蔵や焼酎蔵からも、アルコール度数14%~20%の梅酒が多数市販されている。アルコール度数の高い梅酒であれば、その度数に比例して糖分も増える。水で薄められていないからだ。このような梅酒を毎日1合飲めば1年で12~25kg近くの砂糖を摂取することになる(レシピから計算した結果)。いっぽう、日本人の年間砂糖摂取量は19.6kgという統計がある。つまり、梅酒の習慣的飲酒は相当な砂糖摂取量になることが判るだろう。

 数年前のチョーヤのTVコマーシャルに、松本明子が「母が好きなもので‥‥」「父が好きなもので‥‥」と酒屋に言い訳しながら梅酒を大量に購入して飲んでいるというものがあった。あのペースで毎日梅酒を飲んでいたら、これはもう間違いなく砂糖の取りすぎである。

 自分で梅酒を漬けていれば、貯蔵ビンに山と盛られた氷砂糖を嫌でも目にするだろうから、砂糖の多さは理解しているだろう。しかし、今や「梅酒も買うもの」という消費者が大量に育っている。その人たちに、ぜひ、梅酒のこの砂糖含有量を理解してもらいたい。

 お嬢さん、TVコマーシャルのようにグイグイ飲んでいたら、肥満になりますよ。

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2005.07.15

酒銘マッチ箱

match まだマッチ箱コレクターって存在するのだろうか? たぶんまだ居るのだろうが、新規参入者は長期低落傾向にあるのではないだろうか。それに、マッチ自体の消費も減少していから、デザイン性のあるマッチ箱も作られなくなっているように感じる。タバコを吸う人が減り、マッチ箱の宣伝効果も減退している。しかも使い捨てライターという強力なライバル商品まである。とにかく、マッチ自体をだんだんと目にしなくなってきた。

 ‥‥ まるで日本酒党と日本酒を見ているような気がする(笑)

 と、苦しいマクラでスイマセン。更新するネタがないので、手持ちの酒銘マッチを並べて写真を撮ってみました。「君盃」は静岡市の丸河屋酒店から頂きました。君盃酒造と共同で作成したものだそうな。「磯自慢」は、水曜マニアッククイズの常連回答者である Fujiyama_! さんからの頂きものです。

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2005.07.07

ワインのラベルのネタ2題

【その1】「ソムリエはもういらない? ワインラベルが産地をしゃべる」http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0507/07/news023.html より。

 この新しい「ラベル」は、ボトルに埋め込まれたチップで構成される。このチップはワインショップやレストランに設置されたタバコの箱程度の大きさの小型デバイスと通信できる。

 「これはワインの楽しみ方、産地など、ソムリエから聞けることをすべて教えてくれる。音楽だって聴けるかもしれない」(バロティーニ氏)

 7月2日の拙記事「最新技術(RFID)と吟醸酒の流通」で書いたように、温度センサーも付けて経過を記録するようにして欲しい。そうすれば、ワインだけでなく吟醸酒や生酒にも適用範囲と利用価値が広がるだろう。また、流通経路も記録するようになれば、ディスカウントショップに出回っているプレミア酒の横流しルートも、ある程度まで特定できるようになるだろう。

 このラベルは偽造品の防止にも役立つかもしれないと、開発者らは話している。

 偽造防止を重視するなら、ラベルだけでなく栓にも埋め込むべきだと思う。先日取り上げた“Dice”を内蔵した清酒専用栓を要望する(笑) そして、温度センサーのほかに圧力センサーか何かを繋いで、開栓されたことを検知できるようにしておけば完璧だろう。この場合、パッシブ型でも問題ないと思うが、センサーのデータを記録するために電池の内蔵は必須だろう。(コスト面で問題あり?) いずれにせよ、栓のタグには、酒造場で密栓した日時を記録しておき、センサーで開栓された日時を自動的に記録する仕組みを作っておく。こうすれば、瓶と栓の再利用による偽造(中身の詰め替え)までも防げるだろう。

 また、受信デバイスを一般にも市販すれば、飲み屋で開栓されてから時間の経った酒だって識別できるようになる。あるいはバーで中身を詰替えたボトルを出されても、記録された開栓日時から「これ、お店で詰替えた偽物じゃないの~?」と突っ込むことができる(笑) それこそ「酒屋・飲み屋が隠したいことだって教えてくれるかもしれない」のだ(笑) ぜひ実現して欲しいものだ。


【その2】「オリジナルラベルのワインを作ろう キッコーマンとNEC」http://www.itmedia.co.jp/news/bursts/0108/03/yourlabel.html より。

同サイトでは,サイトで提供される背景やフレームに,デジタルカメラで撮影した画像などユーザーの好みのデータを組み合わせてラベルをデザインできる。オリジナルラベルのワインは1本から注文でき,最短10日で配達してくれる。

 日本酒でもやればいいのに。こういう小回りの効いたサービスこそ、中小事業者が真っ先に取り組むべき事業だと思うのだが、かの業界には「貧ずれば鈍ず」に陥っている企業が多すぎるような気がする。そうでない蔵元、たとえばオリジナルラベルを得意とする「花の舞」「出世城」あたりで着手すればいいのに。
 静岡県内の蔵元であれば、無償でコンサルティング申し上げますよん。NECにもお繋ぎいたします(笑)

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2005.07.04

1900億円の無駄遣い(静岡空港)

 Yahoo! ニュース(読売新聞)の 静岡空港用地の4世帯8・5ha、強制収用へ という記事によれば、「静岡空港は1996年7月に、運輸省(当時)が設置を許可。昨年4月の政策評価で、国の補助金継続が決まった。滑走路は2500メートルで、総事業費は1900億円。」だそうだ。もっとも、民間のシンクタンクの試算では、5000億円を超える見通しだそうで‥‥ さて、実際には幾らかかるのやら。

 なんたる無駄遣い。小生は「静岡空港は無用の長物、税金の垂れ流しになること必定」と確信している。発着する飛行機の行先を考えれば、県東部(富士川以東)であれば羽田に出れば済む話だし、西遠地方(天竜川以西)であれば中部国際空港へ出れば済む話である。現実の静岡空港の利用者は、実は県中部と東遠地方に限定されるだろう。航空貨物便が必要なら、2500m級滑走路は航空自衛隊浜松基地にあるので、こちらを民間併用にすれば済む。浜松基地は東名高速道路の浜松西ICから1kmしかないので、専用直通道路を造ってしまえば県内外の貨物の集荷には最適だ?!

 この点については「静岡県庁の光と闇」サイトにまとめられている、「静岡空港」特集が詳しい。特に県庁の空港利用者数(需要)見通しの不備を突いた「検証!静岡空港需要予測(静岡空港3検証編)」は有意義である。全部で4ページに渡っているが、このサイトの管理者に讃意を表するとともに、敬意を表する意味も含めて、ここに全ページへのリンクを貼っておく。

静岡空港3前編 http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/kukou3.htm
静岡空港3後編プロローグ http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/kukou3b.html
静岡空港3後編第一部 http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/kukou3c.html
静岡空港3後編第二部 http://www2.ocn.ne.jp/~sizuoka1/kukou3d.html

 浜松出身の私が思うに、同じ金額を費やすのであれば、静岡県内各地区と中部国際空港と名古屋(小牧)空港へのアクセスを改善したほうがマシだと思う。名鉄特急の東海道線乗り入れ(豊橋~浜松・掛川駅)と、名鉄本線から常滑線への短絡路線の設置を推進したほうが効果があるハズだ。具体的には、知立駅周辺の名鉄の線路を付け替えて豊橋方面から三河線へスイッチバックなしで乗り入れられるようにして、刈谷市~緒川(JR武豊線)~南加木谷(名鉄河和線)~朝倉または古見(名鉄常滑線)までのショートカット路線を敷設したほうが効果はあると思う。ちなみに、東海道新幹線の品川駅開業に伴って、羽田空港へのアクセス時間は30分以上短縮されているから、静岡市以東の利用者は羽田に回ればよい。

 鈴木元都知事の老害がもたらした臨海副都心こと東京湾お台場地区の惨状(残した負債額とペンペン草だらけの空き地)を見るにつけ、静岡空港は石川知事の負のモニュメントになるのだろうなぁ、と予想する今日この頃である。いまだ多数の痴呆、もとい地方公共団体に君臨する、旧内務省(現総務省)の役人上がりの独善首長の税金垂れ流し政策を止める妙案はないのだろうか?

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2005.07.02

最新技術(RFID)と吟醸酒の流通

 職場で“T-Engine フォーラム”の資料が回覧されてきた。勤務先がこのフォーラムの会員なのだ。この資料の中に“アクティブ電子タグ Dice”が紹介されていた。Dice は名前のとおり、サイコロ大の大きさで、世界最小のアクティブ電子タグなのだそうだ。アクティブ電子タグは、最近よく聞くようになった“RFID(Radio Frequency IDentification:電波による固体識別)システム”のパーツである。“アクティブ”は「自ら電波を発信する(=能動型)」を、“タグ”は商品などに付けられる「価格やサイズ等の情報を記した札」を意味する。すなわち、“アクティブ電子タグ”は「保持する情報を自ら電波を発信して外部に伝達する電子タグ」というところだろう。

 RFIDといえば、京急ストアで実施された「食品トレーサビリティ実証実験」に使われており、テレビのニュース番組にも取り上げられていたからご存知の方も多いだろう。要するに、売場に陳列されている野菜の生産~流通までの履歴を、RFIDシステムを利用して蓄積し消費者に対して公開するというものだ。履歴には肥料や農薬の使用状況などまでが含まれる。このシステムの詳細は、NECが提供するサイト“WISDOM ”にある“ユビキタス最前線”の“食品トレーサビリティ実証実験(2)”のページを参照するといい。小生も目黒駅のプレッセ(東急ストア系の高級食材スーパー)に設置されている類似のシステムを触ってみたことがあるが、その時は「ふーん、こういうこともできるのね」と、さほど興味は涌かなかった。

 さて、話を世界最小のアクティブ電子タグ“Dice”に戻そう。これの仕様を見ると、「温度センサを本体ボード上に搭載」とある。5分間隔で温度を計測してその情報を蓄積する場合、コイン型電池で2・3年間の連続稼動が可能だという。回覧された資料の中には、“Dice”の利用例として「温度管理システム」が挙げられていた。概要はこうなっている
 
 ① 保冷が必要な産品(資料では“イチゴ”)を入れたダンボール箱に、産地で“Dice”を封入する。
 ② トラックで輸送する
 ③ 青果市場でダンボールを開梱し、“Dice”を取り出し、輸送中の温度変化を確認する。

 ここまで読んで、ハタと思いついた。「吟醸酒や生酒の流通に使えばいいじゃん!」と。吟醸酒や生酒は、冷蔵流通が必須である。それは第一に火落ち菌などの有害な細菌の発生を防ぐためであり、次いで香味を悪くする劣化の反応(老ね・生老ね・ダレ・異臭の発生など)を防ぐためである。ところが、往々にして常温で店晒し(棚晒し)になっていたり、夏場にはトラックの荷室が高温になっていたりするなどして、飲む段階で変質していることがままある。そういや、高瀬斉さんの「呑斉の酒々日記」の6月28日の項にも流通段階で生老ねしたと見られる酒の話が出ていた。消費者がこういう酒に当たると悲劇である。しかし、宝くじの一等賞より当たりやすいのが現状なのだ(笑)

 という訳で、酒造業界でも「吟醸酒(生酒)トレーサビリティ実証実験」を企画してくれないだろうか? これで消費者が“老ねた”“ダレた”吟醸酒を掴まされるリスクを軽減でき、製造側も無責任な中傷(「あそこの酒はまずい」等)を受けるリスクを軽減できるハズだ。磯自慢や黒龍などの銘醸蔵、あるいは吟醸酒を多く扱う酒問屋の岡永(日本名門酒会)あたりが旗を振ってくれることを期待する。そうそう、岡永は「Web-EDIシステムの改良及び普及」により情報技術活用型経営革新支援事業に係る補助金(平成13年度)なんてのを受けているのだから、次は是非、ユビキタス・コンピューティングにも取り組んでほしい。最近では「物流効率化推進事業に係る補助金のうち新技術に関する研究開発に係るもの」に補助金が出るそうだし。そして、効果が出たなら早期に実用化して欲しい。

 んで、既にどこかでやってないのかな?

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