【備忘録】 法の下の平等、と脱税総理。
2009年12月26日の朝、新聞の経済欄をみてのけぞった。セーラー万年筆の新社長に中島義雄氏が就任したと報じられていたからだ。
中島氏といえば、故・佐藤道夫元参議院議員(元札幌高検検事長)が「大蔵官僚で税務署長も勤めたことのある人間が脱税しても不起訴で、脱税事件を起こしたプロ野球選手が起訴されて実刑判決を受けるというのは、法の下の平等にもとる!」と国会で糾弾した事件の当事者なのだが。
で、佐藤議員の国会発言の、「中島氏」を「鳩山首相」に置き換えて読み直してみたり(笑)
『プロ野球選手の脱税問題が起きまして、彼らは何をしたかといいますと、三千万、四千万程度の架空の経費をつくって税を浮かせた。浮かせた税額はというと、千二、三百万円であります。今回の鳩山首相のケースとプロ野球選手のケースとを比べてみて一体どちらが悪質か、
やはり鳩山首相の方がより悪質ということは間違いない。
一方、プロ野球選手は、御案内のとおり、告発、起訴、裁判。しかも、球界もこれを厳しく受けとめまして、出場停止にするとか謹慎を命ずるとか、そういうことをやっております。』
それでも鳩山首相は、修正申告しただけで不起訴だった。重加算税はなかったらしい。追徴金も、通常の過失相当の金利分だけで済んだとか。まぁ、これからの日本は間違いなく脱税天国になりますね。誰がマジメに税金払う気になるか、っての。バレても修正申告でいいんだよね?
アホらし。
以下は平成10年02月03日の参議院の予算委員会での佐藤議員の発言です。
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『○佐藤道夫君 大蔵省の不祥事なるものが次から次に後を絶たない、大変情けないことだなと。役所中の役所、官僚中の官僚としてこの国を引っ張っているのは我々だ、こう言うぐらいの気概を持って頑張っておると思ったら、案に相違して接待漬けである、大変嘆かわしいことであろうかという気がいたします。
なぜこれが終わらないのか、やまないのか。身内をかばうとかキャリアに優しいとか、いろんなことがあってなかなか後を絶たない。下の者はそのキャリアを見習ってまたこういうことを繰り返すというふうにも言われております。
私はキャリアの問題としてちょっと取り上げさせていただきたいと思いますけれども、二、三年前に田谷・中島事件というのがございました。
中島元主計局次長、これが何かいかがわしい方々から接待を受けたりお金をもらったりと。何と数千万円の資金提供を何人かから受けていた、こういうことがありまして結局責任をとるような形で引責辞職をしたわけでありますけれども、これにつきまして本人は問題になった暁に自分は税のことは知らない、申告していなかったんだ、こういうことを言いまして、その弁解を大蔵当局は受けたのかどうか知りませんけれども、告発することなしにこの事件を修正申告させるだけで終わらせてしまった、こういうことがあります。
その理由、私は当時から知りたかったわけでありますけれども、つい昨年になりますと今度はプロ野球選手の脱税問題が起きまして、彼らは何をしたかといいますと、三千万、四千万程度の架空の経費をつくって税を浮かせた。浮かせた税額はというと、千二、三百万円であります。この中島ケースと今回のプロ野球選手のケースとを比べてみて一体どちらが悪質か、こう言えば、言うまでもなく税に詳しい、いかに税のことを知らないといってもプロ野球選手よりは多少は知っているんだろう、こう思いますが、やはり内部にあった、大蔵の高級官僚であった中島氏の方がより悪質ということは間違いない。
ところが、中島氏の方は修正申告をしただけで終わって告発までは至らなかった。一方、プロ野球選手は、御案内のとおり、告発、起訴、裁判。しかも、球界もこれを厳しく受けとめまして、出場停止にするとか謹慎を命ずるとか、そういうことをやっております。全然バランスがとれていない。
大蔵大臣は政治家にしてかつ法律家なものですからこれはおわかりと思いますけれども、法のもとの平等という観点から見て、この行政はどうお考えなのか。片一方の身内には甘くて、一方、プロ野球選手、年の若い将来性のある者を遠慮会釈なく告発して刑罰を科しておる。こういう政治、政治というか行政のやり方につきまして、大蔵大臣の御所見、いかがでございましょうか。』
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ちなみに、佐藤氏は、最終的には民主党の所属でした。またしても、ブーメランだったのね(笑)
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