2004.06.28

第2回 究極の静岡吟醸を愛でる会

静岡第一テレビ(日本テレビ系列)の取材が入るなど、2年目にしてメジャー路線まっしぐら(?)な会になりつつある「究極の静岡吟醸を愛でる会」が、昨日、なんとか無事に終わりました。いろいろバタバタして格好悪いところもありましたが、ま、大成功だったといえるでしょう。日本酒庵「むの字屋」さんが書かれた過分の紹介を読んで赤面しながら、最終報告です。

○ 出場酒

1.開 運 静岡県 吟醸酒の部 出品斗瓶 会長賞
2.開 運 静岡県 純米酒の部 出品斗瓶 会長賞
3.開 運 名古屋 純米酒の部 出品斗瓶 
4.開 運 名古屋 吟醸酒の部 出品斗瓶 入賞
5.富士錦 静岡県 吟醸酒の部 出品斗瓶 会長賞
6.富士錦 静岡県 純米酒の部 出品斗瓶 知事賞(静岡県の首席)
7.富士錦 名古屋 吟醸酒の部 出品斗瓶 首位賞(東海四県の首席)
8.富士錦 全 国       出品斗瓶 金賞
9.杉 錦 静岡県 吟醸酒の部 出品斗瓶 会長賞
10.杉 錦 静岡県 純米酒の部 出品斗瓶 会長賞
11.杉 錦 名古屋 純米酒の部 出品斗瓶 
12.杉 錦 名古屋・全 国   出品斗瓶 入賞・金賞
13.高 砂 静岡県 吟醸酒の部 出品斗瓶 会長賞
14.高 砂 静岡県 純米酒の部 出品斗瓶 会長賞
15.高 砂 名古屋 純米酒の部 出品斗瓶 
16.高 砂 名古屋・全国    出品斗瓶 ・入賞
17.花の舞 静岡県 吟醸酒の部 出品斗瓶 会長賞
18.花の舞 静岡県 純米酒の部 出品斗瓶 会長賞
19.花の舞 名古屋・全国    出品斗瓶 
20.忠 正 静岡県 吟醸酒の部 出品斗瓶 知事賞(静岡県の首席)
21.忠 正 静岡県 純米酒の部 出品斗瓶 会長賞
22.忠 正 全 国       出品斗瓶 入賞
23.英 君 静岡県 吟醸酒の部 出品斗瓶 会長賞
24.英 君 静岡県 純米酒の部 出品斗瓶 会長賞
25.英 君 名古屋 吟醸酒の部 出品斗瓶 入賞
26.志太泉 名古屋・全国    出品斗瓶 入賞・入賞
27.君 盃 名古屋・全国    出品斗瓶 入賞・金賞
28.小夜衣 静岡県 吟醸酒の部 出品斗瓶 会長賞
29.國 香 静岡県 純米酒の部 出品タイプ(斗瓶ブレンド)会長賞
30.出世城 静岡県 吟醸酒の部 出品タイプ(斗瓶ブレンド)会長賞
31.出世城 名古屋・全国    出品タイプ(斗瓶ブレンド)金賞
32.萩 錦 名古屋・全国    出品タイプ(大吟醸)金賞
33.初 亀 静岡県 吟醸酒の部 出品タイプ(「中取り大吟醸」)会長賞
34.喜久酔 14BY 大吟醸    (蔵元秘蔵熟成酒)
35.喜久酔 14BY 純米大吟醸  (蔵元秘蔵熟成酒)
36.菊源氏 14BY 全国金賞受賞酒(蔵元廃業のため絶版酒)
37.開 運 9BY 大吟醸生原酒 HD-1 斗瓶番号 2-ニ
特.開 運 全国        出品斗瓶 金賞

※ 予定では一升瓶で来るはずだった「開運」の出品酒、蓋を開け‥‥もとい、箱を開けてみたらR瓶(500ml瓶)が13本。今回の調達基準は「一升瓶なら1本、四合瓶なら2本、R便なら3本」だったので、4種なら12本のハズ‥‥と考えていたら、土井社長がすかさず「あ、全国の本斗瓶が1本しかなかったのでスマン」。 事前の情報とは異なり、名古屋局と全国は違うタンクから出された模様。というわけで、この1本は番号札に「特」と表示して供されることに。


○ 出場 仕込水

1.開運 高天神の長命水
2.高砂 富士山麓の伏流水
3.英君 桜野沢の湧水

※ 水も旨い! 暑い日だったので、私の「今日のこの一本」は並み居る美酒を抑えて「英君 桜野沢の湧水」でした(笑)。お酒もさることながら、水が旨いんですねー、英君。私的には志太泉と英君の仕込水が、県内の双璧です。


○ 来場蔵元

1.開運 土井社長
2.杉錦 杉井社長
3.喜久醉 青島専務
4.富士錦 清専務

※ お暑いなか、静酉会の研修旅行を早退して京都から飛んでこられた清専務には感謝です。あ、前日も静岡市でお酒の会に出席されていた青島専務、広島の焼酎鑑評会に出席されていた杉井社長もお疲れさまでした。土井社長も日本中、いや、世界を股にかけての静岡酒の布教活動にお忙しい中のご出席ありがとうございます。また、一介の消費者に過ぎぬ私達の依頼に応じ、これらの美酒を出していただいた蔵元・取り扱い酒店の皆様にも感謝いたします。

来年も是非よろしくお願いします。来年も、ぜったい、やるそー(笑)

 本館サイト: http://www.dd.iij4u.or.jp/~kshimz/  E-Mail: kshimz@dd.iij4u.or.jp

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2004.05.26

マニアは孤ならず、必ずや隣あり

 「究極の静岡吟醸を愛でる会」が、今年も6月26日(土)の午後に開催されます。吟醸番さんが主催されるこの会は、「静岡県内の蔵が醸す鑑評会グレードのお酒を飲もう!」という趣旨で昨年はじまったものです。私も、当初からお酒集めに協力しています。

 ここでは、ブログの趣旨に沿って(マニアックでエンスー!)、会で出す予定のお酒について書きます。

 基本的に、静岡県鑑評会の吟醸の部(大吟醸)・純米の部(純米大吟醸)、名古屋国税局鑑評会の吟醸酒の部(大吟醸)・純米酒の部(純米大吟醸)、全国鑑評会(大吟醸)のいずれかの鑑評会に出品したお酒、またはその同等品を揃えます。蔵元さんから直接頒けていただいた出品酒そのもの(出品斗瓶)や、出品酒の前後の斗瓶取りなどです。これらの酒中には、静岡県の県知事賞(首席)、名古屋国税局の局長賞(首席)、全国金賞のお酒もあります。また、かの「菊源氏 14BY 全国金賞受賞酒」も、吟醸番さんが確保されました。

 という訳で、会費は通常の日本酒の会よりも少々お高くなりますが、吟醸酒ファン・静岡吟醸マニアには絶対に見逃せない会でしょう。しかも酒造組合や酒販店ではなく、一般消費者が企画して実現したというところが、いかにも「マニアックでエンスー」だと思います。

今日の格言: 「マニアは孤ならず、必ずや隣あり」

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2004.05.10

吟醸酒研究機構の会

umenishiki.jpg

 5月8日に御茶ノ水のグリル「峰」で吟醸酒研究機構幻の日本酒を飲む会 主催の「私たちの全国新酒鑑評会」があった。「金賞・銀賞」を決める審査会ではなく、全国の酒蔵が、100年にわたって挑み続けた全国新酒鑑評会に、どんなお酒を出品するのかを覗き見させてもらおうという趣旨の会である。並んだ天の美禄は以下の通り70を超えた。小生はなんとか60くらいまで飲んだが、辿り付く前に空になったものもあり全制覇はならなかった。

(画像は「梅錦」の出品大吟醸 YK-30 のラベル)

北海道 男山 純米大吟醸
青森県 鳩正宗 大吟醸 「吟麗」
青森県 喜久泉 大吟醸 全国出品酒
岩手県 南部美人 大吟醸 斗瓶囲い雫酒
岩手県 浜千鳥 大吟醸 斗瓶囲い
岩手県 わしの尾 純米吟醸 「蔵人の酒」
宮城県 浦霞 大吟醸 鑑評会出品酒
宮城県 鳳陽 大吟醸 山田錦
秋田県 春霞 大吟醸
秋田県 天寿 大吟醸 「鳥海」
秋田県 飛良泉 大吟醸
秋田県 由利正宗 袋吊り中取り大吟醸
秋田県 まんさくの花 大吟醸 鑑評会出品酒
秋田県 両関 大吟醸原酒 「雪月花」
秋田県 出羽鶴 大吟醸 鑑評会出品酒
秋田県 刈穂 大吟醸 鑑評会出品酒
山形県 くどき上手 大吟醸
山形県 出羽桜 大吟醸 鑑評会出品酒
山形県 栄光冨士 大吟醸
山形県 羽陽男山 秘造り大吟醸 「壺天」
山形県 米鶴 大吟醸
山形県 千代寿 大吟醸 「虎屋」
山形県 あら玉 純米大吟醸
福島県 末廣 中汲み大吟醸 生 「玄宰」
福島県 国権 大吟醸 特撰斗瓶囲い
茨城県 一人娘 純米大吟醸
栃木県 天鷹 大吟醸 斗瓶取り
栃木県 東力士 大吟醸 中汲み 鑑評会出品酒
群馬県 群馬泉 平成7年 若水純米(35%)
埼玉県 天覧山 鑑評会出品酒 斗瓶囲い
東京都 澤乃井 鑑評会出品酒
東京都 多満自慢 大吟醸 しずく
新潟県 越乃寒梅 超特撰 大吟醸
新潟県 米百俵 大吟醸
新潟県 長者盛 鑑評会出品酒
富山県 銀盤 大吟醸しぼりたて 「黒部の雫」
石川県 手取川 大吟醸
福井県 花垣 大吟醸 鑑評会出品酒
福井県 一本義 大吟醸 鑑評会出品酒
福井県 北の匠 大吟醸 「大吟匠」
長野県 真澄 純米大吟醸 「夢殿」
長野県 舞姫 大吟醸 斗瓶囲い
長野県 麗人 大吟醸 鑑評会出品酒 「希」
長野県 大信州 大吟醸生囲い仕込み40号
長野県 大信州 大吟醸生囲い仕込み41号
長野県 秀峰喜久盛 大吟醸
岐阜県 篝火 大吟醸 斗瓶囲い
岐阜県 千古の岩 袋吊り斗瓶囲い大吟醸
静岡県 開運 大吟醸 金賞受賞酒
三重県 鈿女 大吟醸 雫生
京都府 月の桂 純米大吟醸 滴酒 斗瓶囲い 「把和游」
京都府 月の桂 祝米・純米吟醸 にごり酒
京都府 初日の出 大吟醸
京都府 玉乃光 大吟醸
兵庫県 瀧鯉 35%大吟醸
兵庫県 千代の縁 大吟醸
奈良県 八咫烏 大吟醸 鑑評会出品酒
和歌山県 一掴 純米大吟醸 斗瓶取り
鳥取県 諏訪泉 純米大吟醸 「鵬」
島根県 李白 大吟醸 鑑評会出品酒
島根県 天穏 大吟醸 全国出品酒
岡山県 酒一筋 大吟醸
広島県 賀茂鶴 大吟醸 「双鶴」
山口県 金冠黒松 大吟醸
山口県 獺祭 純米大吟醸 遠心分離 磨き二割三分
愛媛県 梅錦 大吟醸 鑑評会出品酒
愛媛県 雪雀 大吟醸 鑑評会出品酒
高知県 司牡丹 大吟醸
福岡県 黒田城大手門 純米大吟醸
佐賀県 窓乃梅 純米大吟醸 無濾過生 「梅月相思」
佐賀県 天山 大吟醸 「飛天山」
熊本県 千代の園 大吟醸

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2004.05.05

東京久保田会

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 写真は先日購入した「久保田」の「翠寿」のラベルの一部。御徒町のふくはら酒店で1年寝ていたものを購入したが、生老ねせずいい塩梅に熟成しており、出荷直後よりも味がのっていて旨かった。よく考えると、酒屋で買う「久保田」は、いつも生酒の「翠寿」ばかりだ。巷でよく見る「百寿」「千寿」「萬寿」には食指が動かず、あまり見ない「翠寿」に購買意欲が湧くらしい。さりとて、事情は似たり寄ったりの「紅寿」「碧寿」は見かけても買わないのは何故だろう? 我ながら不思議な行動パターンである。

 さて、「久保田」といえば「越乃寒梅」「八海山」などと並んで有名な地酒である。「幻の酒」として有名、と言ったほうがいいかもしれない。日本酒に詳しくない人でも、「ああ、あの高いお酒ね」と知っていることが多い銘柄だ。酒のディスカウントストアでプレミア価格(蔵元希望小売価格よりも高い価格)が付いているのを、よく見かけるからだろう。

 ところで、「久保田」の正規販売店の組織を「久保田会」という。東京都内の販売店が加盟する東京久保田会では、「横流し」を防ぐ目的で、ラベルに店名の小さなハンコを押印して販売することになっている。ケース単位で大量に購入していく飲食店からの横流しや、一般消費者を装って購入していくブローカーに対しては効き目があるとのこと。写真にもありますね、正規流通品の証(あかし)が。

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2004.04.23

高濃度清酒「サンロック」

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 先日、アルコール分36度という高濃度清酒「サンロック」を飲んだ。「サンロック」は昭和43年ごろ静岡県由比町の英君酒造で考案され、翌昭和44年に結成の「日本サンロックネット」に加盟した日本酒の蔵元数社から発売されている。「サンロック 酒」でググってみると、「誠鏡まぼろし」の中尾醸造(広島県)にも発売の記録がある。ちなみに小生、篠田次郎先生の著書「吟醸酒の光と影」技法堂出版(2001年)でその存在を知り、2年越しで巡りあった次第である。

 英君酒造の専務(英さん)に確認したところ、「20年以上も前に終売となっており、当方にも在庫はありません。」とのことで、私の手元に流れてきた「サンロック」は流通在庫(長期不良在庫?)らしい。それにしても、松永さんはこんな酒をどこで見つけてくるのだろう。自店の倉庫で20年以上寝ていたのか?まさしく静岡酒のワンダーランドの名にふさわしい!?

 さて、気になるのは「サンロック」の製法だ。日本酒(清酒)は世界中の醸造酒でもアルコール度数の高さは随一とされているが、それでも純米酒であれば20度程度が限界だ。どうやって36度ものアルコール度数を実現するのか? 英さんの説明を聞こう。

『ご存知のように、蒸留酒であるウイスキーと同等のアルコール度数を、醸造酒である日本酒が出す事は不可能です。
 またアル添して度数を高めようにも、消防法の基準ではアルコールを40度以下で貯蔵しなければなりません。蔵にアルコールが入荷する時は99%ですが、貯蔵と同時に加水して40度以下にしなければならないのです。
 これでは幾らアル添しても40度近いアルコール度数を出すのはやはり不可能です。そこで社長が苦慮の末、出した結論は

「アルコール入荷と上槽時期を合わせ、直接99%の原アルコールをもろみに添加して36度の清酒を造る」

という事でした。確かにこれなら消防法に違反しません。(今は定かではないですが)
 こんな破天荒な製法を考えつく社長も社長ですが、当時としては記録的なヒット商品となり、売れたというから大らかな時代であったと思います。』

 20年以上経った「サンロック」、グラスに注いだときはその色(褐色)に皆さん一斉に腰が引けていたが(笑)、すぐに甘い香りがただよいはじめ、「これはカルーアかい? ミルク入れてみたら?(爆)」のツッコミで緊張感がほぐれ飲むことに。くどくない甘さと高アルコールがマッチして、シェリー酒のような紹興酒のような蜂蜜系のリキュールのような‥‥ いわゆる「甘露のような味わい」で、お酒の個性という点では稀に見る存在感を示す日本酒だった。

 以下は飲まれた皆さんの感想。(当日は、他にも古酒あり新酒ありの宴会でした)

『非常に面白く感じました。』

『やはり驚きは「サンロック」あれで日本酒!? 途中酔っ払ってあれをごくごく飲みそうになる自分をあわてて止めておりました。ごくごく飲んだら死んでしまう(笑)』

『他の方も仰ってましたが寝酒には最高なのかもしれません。(中略) 帰った後、嫁が「いつもはに日本酒のにおいするのに今日はカクテルみたいなにおいするのは何故?」と言ってました 笑』

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2004.04.23 in グルメ・クッキング | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック